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重曹とセスキ炭酸ソーダ(セスキ炭酸ナトリウム)の違い?どちらを選ぶ?

重曹とセスキ炭酸ソーダ(セスキ炭酸ナトリウム)の違い?どちらを選ぶ?

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ナチュラルクリーニングにおいて登場する重曹とセスキ炭酸ソーダ。どちらもアルカリ性の洗浄剤として活躍してくれるもので、効果は重複します。

なので、どちらを選ぼうか、迷うこともあると思いますが、結論はどちらも常備しておくといいのが真実。

ただ、それぞれに得意なこと、不得意なことと言うのが少なからずあるので、簡単にまとめながら2つのアルカリナチュラル洗剤について書いていきたいと思います。

アルカリ洗浄剤としての分解力は重曹よりもセスキ炭酸ソーダの方が上

ナチュラルクリーニングで酸性の汚れに重宝するのは重曹がメジャーです。それと同じようにセスキ炭酸ソーダもアルカリ洗浄剤として人気があります。

どちらも環境負荷が低い洗剤として重宝しますが、汚れを落とす力はセスキ炭酸ソーダの方が上です。重曹のpHは8.2、セスキのpHは9.8で、アルカリ度はセスキの方が高くなるためです。

というのも、セスキは重曹と炭酸ソーダの化合物です。セスキは重曹の親戚みたいなもので、重曹も炭酸ソーダもアルカリ性を示し、安定したアルカリ物質となるのはもちろん、よりアルカリ度も重曹よりも高くなります。

さらにタンパク質を分解する力を持つので血液の汚れなどにもセスキは効果を発揮します。 重曹で落とせるものはもちろん、セスキでも落とすことができ、さらに重曹で落ちにくいものはセスキで簡単に落とせる場合が多くなるというわけです。

頑固な油汚れは重曹では物足りなかったりしますが、セスキを使うと驚くほど簡単に分解してくれるというわけです。

重曹にできてセスキ炭酸ソーダにできないこと

セスキ炭酸ソーダの方が重曹よりも分解力は高いですが、重曹の方が得意なこともあります。それはクレンザー(研磨剤)として使うということ。

重曹は水に溶けにくく、結晶が丸みを帯びているので、素材に傷をつけにくい上に水に濡れても粒子をある程度保つので研磨剤として活躍できるのです。

一方、セスキ炭酸ソーダは水に溶けやすいため、研磨剤としての役割は期待できません。

より安全性が高く気軽に使えるのも重曹

さらに、重曹はお掃除だけでなく、使える幅が広くあります。セスキも毒性はないので、誤飲してもすぐに中和されます。

それでも、食用として作られていませんし、タンパク質分解の力も微力ながら持ち合わせているので、注意しなければなりません。

それに対して、重曹は食品として膨らし粉に使われたり、炭酸飲料や炭酸入りの飴などにも使われます。また、入浴剤に使われたり、あく抜きとして使ったりと昔からたくさんの使われ方をしています。

セスキも入浴剤に配合されることはありますが、素人が気軽に安心安全に使えるのは重曹の方が勝るのです。

弱アルカリ性の域を出ることはないですが、セスキは比較的アルカリ度は高いもので、脱脂作用があるので肌が弱い人は素手で使うと手荒れなどを起こす場合があります。

一方、重曹は限りなく中性に近い弱アルカリ性なので、素肌にも優しく安全性としては重曹に軍配があがります。

洗濯洗剤としてはセスキ炭酸ソーダが重宝

洗濯洗剤の補助剤としてはセスキ炭酸ソーダが活躍します。重曹もセスキも洗濯補助剤として使うことで石鹸の使用量を減らすことができます。

アルカリイオンが汚れを分解するのが洗濯の基本的な原理。重曹もセスキもアルカリ性のものなので汚れをおとす役割が期待できます。

ただ、セスキの方がタンパク質を分解する力は高く、アルカリ度もセスキの方が強いのと、さらに水に溶けやすいという理由で軍配はセスキに上がります。特に冬などの冷たい水には圧倒的にセスキが溶けやすいので重宝します。

また、衣類の襟や脇などの皮脂汚れや黄ばみ、血液汚れなどはセスキを使うと驚くほど落ちます。 軽度の汚れならセスキだけでも十分な洗濯が可能なので、より環境に優しい洗濯ができてしまいます。

保存性が高いのはセスキ炭酸ソーダ

重曹は湿気を吸うと固まりやすく湿気対策は必須。一方、セスキは常にさらさらとした状態で保存できるので使う際にもさらっと使えます。

重曹もセスキもどちらも知っておけば臨機応変に対応できる

どちらも環境負荷の低いナチュラル洗剤として活躍してくれる点では一緒で、優劣があるわけでありません。ただ、どちらの特徴も知っていて、得意なことが何なのかを知っておけば、応用できるということです。

重曹ががなくても、セスキがあれば同じように使えるし、セスキがなくても重曹があればいろんな場面で対応できるということ。 どちらを揃えていても、暮らしに役立つ物質であることは変わりません。

個人的には、どちらも常備しておくのがそれぞれの良さを生かせると思うので、お勧めです。 ただ、どちらか一方だけと考えるのならば重曹があればOKと言えます。

重曹も煮詰めると強いアルカリ性を示す水溶液が作れるので、頑固な油汚れにも対応できたりします。

セスキは重曹から簡単につくることができてしまう

「セスキ」と言う言葉は化合物の元素比率が3;2であることを示す言葉で、上述したようにセスキ炭酸ソーダは、重曹と炭酸ソーダが化合された物質(複塩)です。

というわけで、実は重曹があればセスキを家で簡単に作れてしまうんです。

重曹(重炭酸ナトリウム)を加熱すると化学反応を起こして炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)と二酸化炭素と水に分解されます。重曹から炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)を取り出すことができるというわけ。

セスキを使いたいけど、重曹しかないという時に知っておくと便利です。

重曹水を炭酸ソーダ水にする

重曹を溶かした水溶液を用意し、火にかけて沸騰させ、煮沸させる。 すると炭酸ソーダ水溶液になります。

pHは重曹水8.2から10前後まで上昇するので、よりアルカリ性が強くなり、セスキ水と同等の洗浄力を発揮するようになります。

重曹粉末を炭酸ソーダ粉末にする

重曹の粉末を耐熱容器に入れ、オーブントースターなどで加熱すると炭酸ソーダの粉末になります。(フライパンやグリルでも) 時間は30分程度、一時間くらい念入りに加熱すればより純度が高い炭酸ソーダに。

重曹3に対して、炭酸ソーダを2の割合で混ぜるとセスキと同じものになるということ。実際には化合物になっていないですが、水に混ぜる過程でセスキ水に。分量も厳密じゃなくてもOK。