自然とつながる

小雪

小雪・二十四節氣

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小雪(しょうせつ) 11月22日~12月6日頃

雪もはらはらと舞い散る頃に差し掛かります。寒さは一段と進み、季節の機微に秋の名残と冬の匂いが交錯します。

この時期の自然の営みとくらし

秋までは雨上がりに見られた虹も、寒さを招き寄せると同時に見ることはなくなり冬の様相を増していきます。

寒さが一段と進み、冷たい風が色づいた葉を落としながら時折吹き抜け、枯葉を舞い上げます。木枯らし、空っ風とも呼ばれるこの時期の風物詩です。

バラの原種である野茨(のいばら)が、小さく光る赤い実をつけるのが見られます。果実酒や乾燥させて便秘薬にしたりと、昔から使われてきた貴重な実りなのだそう。

11月23日の勤労感謝の日はもとは秋の収穫に感謝をささげる新嘗祭(にいなめさい)の日です。古代から行われてきた宮中祭祀のひとつで、日本各地の神社で五穀豊穣を祈願した儀式が行われます。

同時に昭和57年から手袋の日と定められています。手袋の出番も、もうそろそろかと思うのもつかの間、季節はずれの暖かさを感じる日があります。

小春日和とよばれるそんな日の日差しもなぜだか冬の趣を帯びているのが不思議なところです。草花は勘違いし春の花を咲かせることも。葉を落として幹と枝だけになった冬木立と、忘れ花ともよばれる季節外れの春の花のコントラストに季節の機微を味わう瞬間があるでしょう。

この時期にみられる青い野鳥はカワセミ。「渓流の宝石」などと呼ばれ、漢字では翡翠と書きます。羽の構造により、光の加減で青や緑など絶妙に変化させます。その美しさは寒々しい冬景色に一層映えます。水辺で魚をとらえて食べる光景や雪が舞い散る中で飛び交う姿に魅了されるひと時も。

寒さが増してきても、しっかりとした緑色の葉を落とさずにいるのは柑橘類の大和橘(たちばな)の木。日本国内では唯一の野生の柑橘系なのだそう。不老不死の実として日本書紀などに登場するのは橘の実のこと。

風物詩

小春日和、木枯らし、かわせみ、橘の実 

七十二候

虹蔵れて見えず(にじかくれてみえず)11月22日~11月26日頃

寒さを運んでくると同時に虹は姿を見せなくなるころ。北陸地方では雷が増し、冬季雷(とうきらい)と呼ばれます。

朔風葉を払う(さくふうはをはらう)11月27日~12月1日頃

北風が本格的に拭き始め、木々の葉を落としていく頃真っただ中。落ち葉で埋まる道も風物詩のひとつ。朔風とは木枯らしを意味します。

橘始めて黄なり(たちばなはじめてきなり)12月2日~12月6日頃

橘の実が黄色く色づくころ。日本に古くから自生する柑橘種のことで、冬でも葉を茂らせます。

旬の恵みや草花

りんご

栄養満点の果実の代表、りんご。旬の美味しい季節の到来です。ホットでも美味しいりんごのコンポートや、焼きりんご。アップルパイなども食べたくなります。生でしゃくっと丸かじりもいいですね。ペクチンポリフェノールもたっぷりで抗酸化作用も期待できます。

白菜

この季節の鍋料理には何かと出番が多くなるお野菜も旬を迎えています。11月~2月が旬で冬の貴重な葉野菜のひとつ。漬物やキムチづくりなどの手仕事も暮らしを彩ります。霜に当たると甘みが増してよりおいしく。

やつで

庭木の定番として日本ではよく植えられていたというやつでの木。日陰でも生育するので陰りがちな庭の隅などを賑わしてくれます。 天狗の葉うちわなどと呼ばれ、深い切り込みで分かれた葉先が特徴的。厄除けに用いられることもあります。白い小さな花が密集して咲く姿も寂しい初冬の庭を彩ります。

セロリ

11月~春先までが旬なので、これからの時期には温かいスープやブイヨンの香味付けにも重宝。エリンギと一緒にショウガ焼きにしても美味。セロリの香りにはイライラを鎮静してくれるアピインという成分が含まれているそう。

この時期の行事

ひょうたん祭り

大分県豊後大野の千歳町にある柴山神社のおまつり。県選択無形民俗文化財にも指定されています。 緋色の袴を着て、80cmほどのひょうたん冠を頭にのせ、長さ120cmほどのわらじを履いて、町を練り歩きます。 「五殻豊穰、無病息災、健康になる酒じゃあ」と言いながら、腰にぶら下げたひょうたんの御神酒を町の人や沿道の観光客にふるまう奇祭。ひょうたん様本人も酒が回って高揚している様子がユニーク。 もともとは、柴山八幡社に800年前から伝わる「霜月祭」のこと。