土用とは?大地のエネルギーが満ちる期間
土用とは次の季節へ切り替わっていくグラデーションの18日間の変わり目の期間です。前の季節のエネルギーが極まって転じる時で、次の季節が芽生えるときです。春、夏、秋、冬と年4回あります。
二十四節氣で表す日本の暦の中で、春の土用は「立夏」の前日まで、夏の土用は「立秋」の前日まで、秋の土用は「立冬」の前日まで、冬の土用は「立春」の前日までとなります。
五行説の中でのエレメント
自然界は「木、火、土、金、水」のエレメントのバランスで成り立っているという「五行説」という概念があり、土用の期間は土のエレメントに対応しています。
土用という期間は、自然界の中では土の働きが活発になる頃でもあります。 土のエレメントは5つのエレメントの中で中央に位置していて、この世界の土台、基礎としてのエネルギーを司っています。
土用の期間はそんな基本の大地のエネルギーに一度、身を寄せ立ち還りニュートラルに心身を整える期間と言えます。
ちなみに春は木のエレメント、夏は火のエレメント、秋は金のエレメント、冬は水のエレメント、土用は土のエレメントに対応し、5つの季節で巡っていることも五行説を表すひとつです。
土のエレメント、大地のエネルギーに感謝する
全ての季節は一度、土のエレメントに戻り、そして次の季節のエレメントへと変わっていくことが季節が廻るということ。 全ての生命は土の働きによって生み出される恵みによって生かされ、その命を全うすると、土の働きによって自然へ還ります。 全ての基本は大地であり、命の循環は土が司っています。
母なる大地に感謝し思いを馳せることで、心身が整っていくことを実感し、エネルギーの循環が整っていきます。 畑に出て土いじり、森に出かけて森林浴などのアーシングで大地とつながるアクティビティを計画するのもおすすめ。
「今・ここ・自分」とじっくり向き合い、中心に立ち還り、自分軸をしっかりと整える期間としましょう。
土用の期間は心身の養生を意識すると自然のリズムに乗れます
五行説の中では、土は内臓の「脾」に当たります。身体に必要な栄養物を全身の各組織に供給する機能があり、消化、エネルギーの分配を担っている器官です。そのため、この時期は消化の働きを促進させたり、消化器官を休めるということが土用の養生ということになります。
さらに土に対応する色彩は「黄」、対応する味覚は「甘」にあたります。食卓には季節の旬のものの中から黄色の食材や、麹や自然の甘みを持つ野菜などを取り入れると良いです。自然の甘みは胃腸を整える働きを促進してくれます。くれぐれも白砂糖は控えてくださいね。
養生を意識した食事の仕方
食卓の基本であるごはんとお味噌汁は、まさに、自然の甘みと黄色が取り入れられますね。特にこの時期は玄米がおすすめです。
ジャンクフードや肉食を控え、本来の和食がこの期間は日本人の心身を整えてくれるはずです。 火を通すと甘みを増すお野菜といえば例えば、キャベツや玉ねぎ、にんじんなどがありますね。季節ごとに甘みのある野菜を意識して食卓に並べてみましょう。ごはんもよく噛めば一層甘みを感じられる穀物です。
食べ過ぎず、腹6分目を意識し、よく噛んで、時間をかけてゆっくりと食べることで消化器官に負担をかけない養生食になります。食事がただの作業にならないように、丁寧に食に向き合い、五感を使ってじっくり味わうことを意識した食卓を体現してください。
ごはんに、一汁、一菜、お漬物。これは最高の養生食です。また、「土用の丑の日」と呼ばれる日がありますが、「う」のつく食べ物を食べると運気アップとリズムに乗れますよ。
季節ごとの土用養生のポイント
春の土用のポイント
4月18日頃~5月5日頃。
菜の花、キャベツ、金柑、新玉ねぎ、ブロッコリー、にんじん、浅漬けなど。温かさがぐっとまして、これから身体が活発に活動してく季節に入っていきます。夏に備えて、胃腸の働きを促進する海藻などの食物繊維の多い食事を意識して養生をしましょう。
夏の土用のポイント
7月21日頃~8月7日頃。
トウモロコシ、玄米甘酒、かぼちゃ、など。胃腸の疲れを癒し、消化力の低下を回復させてくれるような食事を意識して。夏こそ甘酒、自然のエナジードリンクです。普段よりも空腹の時間を設けてプチ断食も良いです。
秋の土用のポイント
10月21日頃~11月7日頃。
さつまいも、もちあわ、ひえなどの穀物、新米、栗、大根などの甘みのある根菜。ぐっと寒さが増してくる頃なので、胃腸を温めて冬に備える食事を意識して。煮物や汁物などの出番が増えていく時期なので、根菜たっぷりのけんちん汁や雑穀ご飯などで養生しましょう。丁寧な足湯などもお勧めです。
冬の土用のポイント
1月17日頃~2月3日頃。
玄米甘酒、七草、山芋(然薯)、こんにゃくなど。胃腸が最も冷えやすい時期なので、お腹を冷やすものは避けましょう。納豆、キムチなどの発酵食品を多くとることを意識して。少しの日本酒などをたしなむのも良いです。飲みすぎ注意。