自然とつながる

エルダーの紹介と育て方。効能や使い方の参考も。

エルダー

記事内に商品のプロモーションが含まれる場合があります。

エルダーの概要

学名Sambucus nigra
科名スイカズラ科(レンプクソウ科)・ニワトコ属
和名セイヨウニワトコ
別名ボアトゥリー
花言葉「哀れみ」「嫉妬深さ」
開花期6月~7月
使用部位葉・花房・実 (一部、根や樹皮)
原産地ヨーロッパ・西アジア・北アフリカ
草丈成長すれば最大9メートルくらいまで育つ。
落葉低木(高木に分類される品種もあり)

イギリスでは、生け垣に利用され道端でもよく見られます。 初夏に直径20センチほどの花の集合体が顔を見せます。房状のクリーム色の花はマスカットにも似た芳香を放ち、鳥たちとの戯れを誘うように収穫の季節を迎えます。

秋には黒みがかった濃い紫色の実をつけ、ジャムやワインに加工して楽しむことができます。低木とされますが、存在感のある大きさに成長し大きく茂るので庭のシンボルツリーとしても活躍してくれます。

メディカルハーブの分野では「インフルエンザの特効薬」として欧米では有名です。ヨーロッパではエルダーフラワーを糖分に付け込んで作るコーディアルは多くの人に親しまれているメジャーな存在です。

エルダーの種類

エルダーには、複数の品種があります。一般的なセイヨウニワトコ(エルダー)の他に、葉に斑が入るタイプのものがあります。

他にも、モミジバセイヨウニワトコと呼ばれるモミジの葉のように葉に深い切れ込みを現すものや、セイヨウニワトコブラックビューティーと呼ばれる銅色の葉が特徴的なエルダーがあります。

花もピンク色で庭の観賞用にシンボルツリーとしてピッタリです。これらは高木に分類されているので樹高10メートルくらいには育つとされています。

エルダーの主な薬効作用

発汗、利尿、抗アレルギー、抗カタル、抗酸化、緩下、抗菌

エルダーの適用症状

花粉症、インフルエンザ、風邪の初期症状、肌荒れ、便秘

エルダーの使い方の参考

料理に

花のコーディアルはマスカットに似た香りでサイダーで割ったり、シロップとして楽しめます。実は煮込んでジャムやチャツネにしたり、ゼリーやジュースにして楽しめます。花のフリッターづくりやお菓子作りの風味付けにも重宝します。

※果実の汁には緩やかな緩下作用があり、便秘解消に効果的とされています。

※実には種にアルカロイドという毒が含まれるので生食はしないで必ず火を通します。

ハーブティーとして

香りもいいので贅沢なリラックスタイムを楽しめます。マスカットにも似た風味はフルーツティーとの相性も抜群です。発汗作用があるので、風邪の初期症状にも効果的とされていて、リンデンやミントとのブレンドで作るハーブティーはよく飲まれています

※咳や花粉症などを和らげる効果も期待できるとされているので、まさに万能なハーブティーと言えそうです。

染色として

実は紫色に染めることができます。自然な紫色を自然な素材から表現できるので、利用の幅は広がりそうです。

美容目的として

抗炎症作用をもつのでエルダーのクリームを作って、肌荒れ対策にも効果的。葉で作る軟膏はしもやけや打撲傷に効果が期待できるようです。

エルダーの育て方と収穫

https://linobase.org/herbswitharoma_category/herbofupbringing

種蒔きの場合は、秋にポットで育苗してから定植する方が望ましい。地植えにして低木に成長するとほとんど手間がかからない。害虫もほとんどつかないので、管理は容易。苗が手に入る機会がある場合は是非。

中性からアルカリ性よりの肥沃な土を好む。湿り気がある方がいいので保水性を意識して土の配合を行う。腐葉土の割合を多めにするといい。地植えにする場合も苦土石灰などで中和して土が酸性に傾かないように。

肥料

元肥を施し、定期的に追肥を施す。有機質の液肥が与えやすい。

日当たりと場所

日向から半日陰。湿り気がある方が育ちはいいので、鉢植えなどは直射日光に当たるような乾きやすいところは避けた方が無難。地植えなら荒地でも見られるので、場所を選ばないと言える。

水やり

土の表面が乾いたらたっぷりと。

病害虫

季節を通して特に目立った虫はつかないのでとても管理がしやすい。ただ、鳥たちも狙ってくる。

夏に意識したいポイント

特になし。鉢植えの場合は、適度な水やりで乾燥に気を付けたい。

冬に意識したいポイント

耐寒性のある落葉低木なので、葉は紅葉し落ちるが、春に一気に芽吹く。 水やりも控えめに管理。

収穫

花房ごと摘む。低木に成長した段階から樹皮も用いることができる。どちらも乾燥させて利用。花を摘まずにいるとやがて秋に実になる。ジャムなどにできるので、実を収穫したい場合は花房は残しておく。

※挿し木や株分けで増やすことができる。株分けは地下茎をわける。挿し木は成長した枝を用いる。

※葉も煮だした液体を自然農薬として用いるとアブラムシなどに効果がある。

エルダーのよもやまエピソード

果樹園などに植えると、鳥たちはエルダーの虜に。果実への食害が減り、自然の生態系を作り出すことができます。

葉で作った軟膏は捻挫や打ち身に外用すると症状を和らげることができるそう。根、葉、実のすべてが薬効に富んでいると言われ、「天然の薬箱」、「万能の薬箱」などと呼称され、西洋の伝統医学で活躍してきたハーブの一つとしてカテゴライズされています。

歴史は深く、アメリカの先住民族の間では万能薬として重宝されていたようです。 エルダーのフローラルウォーターはシミやそばかすなどに効果的で美白を促すと伝承されています。特にしわ予防に優れているとか。商品化されて流通しているスキンケア用品もあるようなのでチェックしてみて下さい。