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コリアンダー(パクチー)の紹介と育て方。効能や使い方の参考も。

コリアンダー

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コリアンダーの概要

学名Coriandrum sativum
科名セリ科・コエンドロ属
和名コエンドロ
別名チャイニーズパセリ、カメムシソウ
花言葉「隠れた美点」
開花期5月~8月
使用部位葉・茎・種子・根
原産地地中海沿岸・西アジア
草丈30cm~60cm
1年~2年草

最もユニークな特徴は、葉、花、種子、それぞれに個性を持った香りがあるということです。世界中で多くの料理に使われているハーブで、英語ではコリアンダー、タイ語ではパクチー、中国語ではシャンツァイと呼ばれます。

咲いたばかりの花からはカメムシのような匂いを放ち、ちょっとびっくりしますが桃色の小さな可愛らしい趣とのギャップがまたユニークです。この花にやがて種子が熟すとスパイスとして使えるような豊かなスパイシーで甘い香りに変わっていきます。

イタリアンパセリにも似ている細かい切れ込みがある葉は、茎も含めて中華料理やエスニック料理で使われ、日本でも生のままサラダ感覚で楽しまれています。その独特な味わいと風味が病みつきになる人が多くいるようです。好き嫌いがはっきりと別れる個性が濃いハーブと言えます。

一般的にスパイスとしてなら「コリアンダー」、野菜としてなら「パクチー」と呼ばれて流通することが多いようですが、園芸店で流通する苗はパクチー、コリアンダーなど統一されてはいないようです。

コリアンダーの主な薬効作用

消化機能活性化、駆風、去痰、去咳

コリアンダーの主な適用症状

消化不良、食欲不振、便秘、

コリアンダーの使い方の参考

※葉、茎、根の順に香りが強くなります。刻んだりすりつぶしたりしながら少量づつ試しながら使うのがコツです。種子はまた違った香りで料理には使いやすいと言えます。

種子は乾燥させてから使いますが、葉は乾燥保存としては向きません。生で使うことをお勧めします。

料理に

葉は新鮮なうちにサラダとして食べたり、刻んで炒め物やスープに加えて、香りづけをします。エスニック料理や中華料理を本場テイストにしてくれます。ベトナム料理の「フォー」や、メキシコ料理の定番「ワカモレ」などバリエーションを見つけて楽しみましょう。

飾り付けに少々使うのがコツで、和食にもアレンジしやすい素材です。風邪の時のおかゆに添えて、養生にも。ちゃちゃっと作れるニンニクや生姜と炒めて合わせた合わせ味噌もおススメ。

もっとも用いられているのは、種子で、カレー、シチューなどの煮込み料理のスパイスとして使います。ピクルスの香りづけや、マリネなどのアクセントにも。 パンや、お菓子作りではスパイシーなパイや焼き菓子も楽しめます。

根も刻んで、ニンニクと一緒に炒めて香りづけに用いることができるので試してみて下さい。

ティーやドリンクに

種子をティーとして飲むと、より消化機能の活性化を期待できます。胃腸の調子が悪いなと感じたときのナチュラルメディスンとして知っておくと心強い味方になります。身体を温める効果もあるので、夏のエアコンなどによる冷えにも効果的。

※種子から抽出した精油も流通しています。特に疲労回復、強壮や消化機能の活性化に効果的なアロマテラピーを堪能できます。出会いの機会があれば試してみて下さい。

コリアンダーの育て方と収穫

https://linobase.org/herbswitharoma_category/herbofupbringing

種からの栽培が容易。たくさん栽培したい場合も種からがおススメ。春播き秋蒔き可能。種は一晩水に浸けて発芽しやすいようにするのが良い。

プランターや露地に直播して間引きながら育てるのも栽培スタイルとしては主流。地植えの最終的な株間は30cmが目安。プランターでも15cmは確保したい。 ポットで育苗する場合は、苗が小さい段階で定植した方が良い。(直根性のため)

直根性で移植を嫌う性質があるので、苗を定植する場合は、根鉢を崩さないように土ごとゆっくりと植え付けるように意識する。鉢も深めの方が株の生長が良い。

時期は4月~5月が最も適しているが、秋に植え付けて寒さにあてると病害虫の被害もなく、翌年の生育が良くなる。 こぼれ種でも増えるので、一年草だが多年草のように楽しめる。

腐植質の肥沃な土を好む。一般手的なハーブ培養土や野菜培養土でOK。半日陰で管理する場合は、より排水性を高める意識を。パーライトや赤玉土などの多孔質の素材を多めにして。

肥料

肥料を好む性質があるので、元肥をしっかりと与え、定期的に追肥を施す。有機質タイプの液体肥料がおススメで、比較的多めの頻度で与える方がたくさん収穫できる。

日当たりと場所

日向から半日陰の風通しの良い場所で。鉢植えなら夏場は半日陰などがちょうどよく管理しやすい。

水やり

水を好む性質が強いので、水やりはやや乾いたところで与えるくらいがちょうどよい。夏は特に毎日水やりをし、乾燥に気を付けて。

病害虫

病害虫はほとんど見られないと言えるが、夏の高温多湿時はアブラムシやハダニなどのメジャーな害虫には注意したい。秋に新しく苗を植えたり種を播くのも選択肢の一つ。

夏に意識したいポイント

多湿と暑さには少々弱いと言えるが乾燥にも弱いという気難しさがある。水切れには注意だが、特に梅雨時期は蒸れると株が弱るので土の状態を触って観察しながら。種子の採取を望むなら、枯らさないように注意したい。

冬に意識したいポイント

耐寒性はあるので冬越はできるが、新しく種から育てる方が柔らかい葉が期待できるので特に冬のための対策はないと言える。そもそも種が実ると枯れるので冬越という意味では秋に植え付けた苗に対してだが、冬の寒さにあてれば、翌年の株の勢いの良い生長を楽しめる。

収穫

草丈20cmくらいから収穫可能だが、株が小さいうちは少々弱弱しいので、摘みすぎないようにするのも大切なポイント。外側の葉から摘んでいけばどんどん葉が生えてくる。 種を播いた季節や、定植した季節によって収穫時期がずれるが、4月から12月くらいまで収穫できる。

種子を収穫する場合は花を咲かせた後、実が褐色になり始めてから。刈り取って先端を紙袋などに入れて風通しの良い場所につるし、熟すのを待ちながら乾燥させる。種子が簡単にこぼれるようになったら密閉瓶に入れて保存を。

※種子の収穫を目的とする場合は、株を大きくするためにも葉の収穫は控えめして成長を促したい。

※夏に大きく茂ったら切り戻しをする。生長が早いので何度か切り戻しをしながら楽しめる。そのままにしておくと株姿が乱れたり折れたりするので、意識しておきたい作業の一つ。

※柔らかい葉を多く収穫したい場合は、トウ(先端に花を咲かせる長く伸びる中心部分)が立たないように摘み取ると良いが、種子を採取したい場合は花を咲かせる必要があるので、摘み取らないように注意して。

※観賞用というよりは野菜を栽培する感覚に近いので肥料も割と多めで一気に育てて収穫して、種子も取り、また種を播くというスタイルも良い。

コリアンダーのよもやまエピソード

古代ローマ時代より栽培され、デトックススパイスとも呼ばれています。紀元前1552年記されたとされる「テーベの医薬書」の中で、血液の浄化、胆石、腎臓障害の薬として重宝した記録がそれを裏付けています。

後にイギリスやフランスへ伝わり今日のハーブとして、代表種の一つとなりました。 メディカルな使われ方は古代エジプトにまでさかのぼり、旧約聖書の中にもコリアンダーが登場します。

コンパニオンプランツとして混植すると、アブラムシなどの害虫を寄せ付けない栽培ができると言われています。また、アニスとの混植は発芽率を共に上昇させ、生育も旺盛になることが知られています。

世界中の国々で、それぞれの呼び名で親しまれている香草です。ポルトガルではコエントロ、ベトナムではザウアイ、タイではパクチー、英語圏ではコリアンダーなどなど。