タラゴンの概要
学名 | Artemisia dracunculus |
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科名 | キク科 |
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和名 | カワラヨモギ |
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別名 | フレンチタラゴン・エストラゴン |
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花言葉 | 「潔癖 」「不変の好奇心」 |
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開花期 | 7月~8月 |
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使用部位 | 葉・花穂 |
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原産地 | ロシア南部・西アジア・北アメリカ |
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草丈 | 50cm~90cm |
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直立した茎に笹の葉のような細長い光沢のある葉を対生させながら成長していきます。グレーがかった緑色の小さな花をつけますが、花が咲くこと自体も希少で、花が咲いても種をつけることが稀な植物です(フレンチタラゴン)。
キク科ヨモギ属の植物で日本のヨモギの近縁種。古くは薬草として使われた歴史がありますが、現代では料理に好まれるようになり、 少しの苦味とアニスのような甘い風味が特徴的。 ビネガーやオイル漬けにして香りを楽しめるので、料理に使うハーブとしては代表的です。
料理の味を劇的に変化させてくれるとも言われていて、料理好きなら自家栽培したいハーブのひとつと言えそうです。 別名にもなっているように、フランス料理の定番で使われるハーブで、エスカルゴ料理の風味づけにもよく使われています。
精油のさわやかな香りは香水の原料にもなると言われているので入手する機会がある場合はぜひ。
タラゴンの種類
フレンチタラゴンとロシアンタラゴンの二種類があり、フレンチタラゴンの方が風味や香りが繊細で、料理に使うハーブとしては好まれるようです。ハーブとして流通する苗もフレンチタラゴンである場合が殆どでしょう。
フレンチタラゴンは不稔性で種をつけにくいので挿し木などで増やすのが一般的で、流通する種はロシアンタラゴンの方が主流です。 ロシアンタラゴンの方が草丈も1.5メートルほどに成長し、強靭で育てやすい品種と言われています。
野性的な草っぽい味などと言われることがあるロシアンタラゴンですが、機会があれば育ててみると発見がありそうです。
タラゴンの主な薬効作用
強壮作用、消化機能活性化、鎮痛作用、駆虫作用
タラゴンの適用症状
食欲不振、疲労、リウマチ
タラゴンの使い方の参考
ドライよりもフレッシュな方が香りが高いので、タラゴンは生で利用するのが基本です。(もちろんドライでも利用できますが香りは飛んでしまう。)
料理に
ハーブビネガーの中では定番のハーブと言えるので、フレッシュの葉をビネガーやオイルに漬け込んで、香りを移して楽しみましょう。フレンチテイストのサラダやマリネが楽しめます。
刻んだタラゴンをマヨネーズに混ぜてディップにしたり、チャイブやパセリなどと一緒に加えてタルタルソースを作るのも定番です。
フランス料理で使われる「フィーヌゼルブ」という伝統的な素材は、チャイブ、チャービル、イタリアンパセリ、タラゴンの4種類で構成されています。フレッシュの葉を刻んでミックスし、繊細な風味を楽しむために生で使うものです。
サラダに少々ふりかけたり、スープにふりかけたりなど、最後の風味づけとして使うと、香り高い料理に仕上げてくれるフィーヌゼルブです。
他にもいろいろなソースやドレッシング、ピクルス、ムニエルなど香りを楽しみたい料理には活躍してくれるので、アレンジして積極的に使いたいハーブと言えます。陰の立役者といったところでしょうか。
タラゴンの育て方と収穫
https://linobase.org/herbswitharoma_category/herbofupbringing
好む環境
適度に乾燥したカラっとした気候を好む。日本では4~5月くらいの春や温かさが残る秋の終わりの10月頃を最も好む。
環境に適応すれば、育てやすい野性的な性質を持つが、日本の夏はタラゴンにとって過酷と言える。
種蒔き&育苗
フレンチタラゴンは不稔性なので苗から育てるのが一般的。流通している種子はロシアンタラゴンで、料理に好まれるフレンチ系ではないので注意。種からの場合は春か秋に播くようにする。
定植
春の5月と、夏の終わりの10月くらいが定植に適す時期。鉢植えの場合は5号鉢以上で。
土
ハーブ培養土などの水はけのよい土を選ぶ。一般的なハーブ培養土に、赤玉土などの通気性と排水性を高める土をさらに加えておくと日本の夏も越しやすい。
肥料
夏場に収穫の盛りを迎えるので、元肥をしっかり与えておくようにする。夏場に与えると腐ってしまうことがあるので、一年目は元肥だけで充分。
日当たりと場所
日当たりがよく、風通しの良い場所で。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと与える。常に湿っている状態は避け、乾燥と湿潤のメリハリをつけて与えるようにする。
病害虫
一般的な害虫には気を付けたいが、さほど目立った害虫はないとされる。
夏に意識したいポイント
高温多湿に弱いので風通しの良い場所に移動できると良い。水も控えめに与えるのが良いが、夏場は水切れを起こしやすいので注意。夏場の生育は期待できないので、切り戻して風通しを優先し、積極的に利用するようにしたい。
冬に意識したいポイント
半耐寒性なので冬を越すのは容易だが地上部は枯れる。根は残るので枯らさないように土の表面が湿る程度に与えて、乾燥気味で冬を越す。
寒冷地では完全に枯れることもあるので屋外で管理する場合は軒下や壁際など冷たい風を遮ってくれるような場所で。藁や腐葉土を株元にかけておくのも対策のひとつ。
収穫
5月~ 9月が収穫の適した季節。花が咲く直前が最も香りが高いと言われるが日本の気候では咲かないので、7月~8月が目安。根本5cm~程度、下葉を残して葉のついた枝ごと収穫する。そのままフレッシュのものをビネガーやオイルなどに漬け込んで利用するのが定番。
※2年以上長く育てていると香りが弱まるので株分けして更新するのが良い。挿し木でも簡単に増やせるので、春か秋に。
※フレッシュなタラゴンは格別な風味なので、生で使うのが基本だが、たくさん収穫できた場合はドライにして保存しておくのも手。流通しているドライタラゴンはフリーズドライで風味を維持したものが主流。
タラゴンのよもやまエピソード
抗がん作用のある植物の研究の中でもタラゴンは挙げられ、がん予防が期待される植物のひとつとされています。
古代ギリシャでも薬草として栽培されていた記録が残っており、毒蛇や狂犬にかまれた際の毒消しに使用していたという逸話があります。
他にも睡眠導入効果や口臭予防などの効果を提示した薬剤師もいるほど、古代よりフィトケミカルな力が期待された植物です。 キク科ヨモギ属の植物で、日本のヨモギを連想すると薬効が期待される植物なのが感じ取れます。
料理に好んで使われるようになったのは中世以降で、古来は薬草として重宝された歴史があります。
タラゴンという名前は、アラビア語で竜を意味する「タルクーン」が由来とされます。フランス名ではエストラゴンと呼びますが、小さな竜という意味があるのもそこから。
タラゴンの根が竜を彷彿とさせる趣があることからきているとされる説と、上述したように毒蛇による毒消しに使われた歴史的逸話から、蛇がとぐろを巻いたような姿に似ているからなど、諸説あるようです。