ラベンダーの概要
学名 | Lavandula angustifolia Lavandula ×intermedia Lavandula stoechas |
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科名 | シソ科 |
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和名 | – |
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別名 | コモンラベンダー(最も用いられている品種として) |
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花言葉 | 「疑惑」 |
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開花期 | 5月~7月 |
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使用部位 | 花・葉・茎 |
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原産地 | 地中海沿岸 |
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草丈 | 20cm~100cm |
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ハーブと言えば思い浮かぶ中にラベンダーは外せないくらい親しまれています。ラベンダーが一面に広がる光景を思い浮かべる方も少なくないはず。薬効作用としては刺激が少なく穏やかなのでアロマやメディカルの側面でも多様に用いられています。
香りには心身をリラックスさせる効果が高く、古代から使われてきた正に癒しのハーブ。心のデトックスとして活用したいもの。 紫色の可憐でシャープな花姿と香りの女王と呼ばれるほどの魅力的な芳香はお庭をワンランク上の非日常空間造りを後押しし、クラフトにも最適です。
特徴を説明しきれないくらい多様な品種があるのでガーデナーにはたまらないくらい好奇心を掻き立てられる存在です。花壇の縁取りやボーダーガーデンなどに多用したい植物です。
ラベンダーの種類
ラベンダーは品種が多く存在します。原種だけでも20種類以上あり、系統も多く存在します。日本で多く栽培されているものとしては、「イングリッシュ系」「ラバンジン系」「フレンチ系」とよばれるものに分類できます。
精油づくりやメディカル的に使われる系統はコモンラベンダーとも呼ばれる、イングリッシュ系と言えます。一般的に園芸店などで多く見かけるのは、ラバンジン系のラベンダーグロッソと呼ばれる品種です。
他にも、フレンチラベンダーや、レースラベンダーなどは観賞用として人気があります。ピンクや白色の花を咲かせる品種もあるので出会ったら育ててみるとラベンダーの多様性を楽しめそうです。 冷涼な気候を好む植物ですが、日本の気候でも育てやすい品種が栽培されるようになってきています。
イングリッシュ系(Lavandula angustifolia)
コモンラベンダーとも呼ばれるメジャーな存在のラベンダーです。寒さに強いですが、高温多湿に弱く西日本での栽培は難しい品種と言えます。北海道で多く栽培されている品種もこの系統です。精油成分が多く含まれ、最も香り高い品種に区分されます。別名トゥルーラベンダー、真正ラベンダーとも呼ばれます。まさにラベンダーの魅力を感じさせてくれる品種です。
「ムンステッド」、「オカムラサキ」、「ナナ・アルバ」、「ヒッドコート」、「レディー」「フォルゲイト」など。
ラバンジン系 ( Lavandula ×intermedia)
こちらもメジャーな存在。100cmくらいになる大型に成長するタイプが多く、寒さに強い品種です。イングリッシュラベンダーよりも耐暑性があるので日本の気候でも育てやすい品種です。
イングリッシュラベンダーとスパイクラベンダーの交配品種で、香りはイングリッシュ系よりスパイシーさを感じさせます。大きめの花が存在感を感じさてくれる品種です。生育が旺盛で収穫もたくさん期待できる品種でです。
「グロッソ」、「グレイヘッジ」、「スーパーセビリアンブルー」、「デイリーデイリー」「ラージホワイト」など。
フレンチ系(Lavandula stoechas)
イタリアンラベンダーやスパニッシュラベンダーとも呼ばれる観賞用として人気の品種です。コンパクトな品種が多く、花穂の先に可愛らしい蝶の羽のような苞葉がつく品種が並びます。香りは少なめなので、精油や芳香浴として用いるよりは、園芸種として親しまれています。
耐暑性が他のラベンダーに比べて強いので、日本でも栽培しやすく人気があります。寒さには弱いのですが、春先から咲き始めるのでお庭を彩るには最適な喜びをくれます。アート性を感じさせるラベンダーです。
「ストエカスアルバ」、「エンジェル」、「キューレッド」、「ウィリディス」、「デンタータ」など。
その他
基本的に観賞用として栽培され、他のラベンダーとの違いは葉がシダのようにギザギザとした形をしていることです。 耐寒性は弱いのですが四季咲きのものが多く、一年中花が楽しめるものもあります。
レースラベンダーと呼ばれるプテロストエカス系のピナータという品種もその一つ。 「シドネラ」、「カナリー」、「ファーン」、「ピナータ」など。
ラベンダーの主な薬効作用
抗菌、防腐、筋肉の緊張を緩和、鎮静、鎮痙、神経の安定、抗炎症、
※妊娠中や乳幼児は摂取を控える
ラベンダーの適用症状
不眠、ストレス 神経症、神経性胃腸炎
ラベンダーの使い方の参考
料理に
エディブルフラワーを作ったり、砂糖漬けやオイル漬けを作ってお菓子作りのアクセントに。フルーツジュースの風味付けや、アイスティーなどに加えて。
ティーとして
不安や緊張を和らげる効果を求めてティーとして飲用するのもおススメ。ドライにした花を浮かべたハーブティーは極上のリラックスタイムのお供として活躍します。香りが強すぎる場合はブレンドして用います。
就寝前に飲めば心地よい入眠効果も期待できます。フレッシュラベンダーティーは香りもまた一味違いますよ。花穂を2~3本入れてお湯を注げば出来上がり。収穫したてを楽しんで。
ハーバルバス&芳香浴に
フローラル系の香りと美容とリラックス効果を欲張りに堪能できる芳香浴をお風呂で全身で味わうのも素敵。自律神経失調症や精神疲労にナチュラルなメディカル作用を期待できます。 茎も香り高いので乾燥させてお香として焚くのもおススメです。
美容に
手作りローションやシャンプーにも。抗菌作用や抗炎症作用が期待できるので、手作りコスメの素材としては香りも含めて相性抜群です。
皮膚の新陳代謝を促進する効果が期待できます。ハンドメイドな石鹸つくりを楽しみ、同時に肌の引き締め効果も頂戴しちゃいましょう。
クラフトに
アイピローやポプリ、サシェなどで香りを存分に楽しんで。キャンドルの香りづけや、花束を楽しみながらドライフラワーにできます。葉は染料としても用いられ、グリーンやグレーの発色を得られます。
※精油も手に入りやすいので、積極的にアロマテラピーを楽しみたいもの。幅広い効果と親しみやすさがあるので営みに加えておきたい存在ですね。
※収穫したラベンダーは水に入れずに(カビが発生しやすいので)束ねて逆さにつるして乾燥させます。部屋の壁に留めたり、つるしてインテリアとしても楽しみましょう。
ラベンダーの育て方と収穫
https://linobase.org/herbswitharoma_category/herbofupbringing
定植時期は3月~5月。真冬と真夏以外なら植え込み可能だが、開花は来年となる場合がある。地植えの場合は蒸れ防止もかねて土を少々盛り上げる(畝)ようにして、株間50cmくらいがベスト。
根づいてから環境に適応するまでは成長が遅いように感じることがあるが気長に。 種からの栽培も可能だが、発芽時間が長い植物なので、苗からの栽培が効率が良い。種からの場合は開花は二年目の夏以降となる。
土
乾燥した、やせた土が適している。排水性を高めた水はけのよい土で。一般的なハーブ培養土なら、赤玉土やパーライトの配合を多めにすると言い。酸性土壌は適さないので、地植えなど古い土壌環境の場合は苦土石灰などで中和させる。
肥料
肥料は多く必要ない。定植時期に元肥を少量与えたら、ほとんど肥料を与える必要はない。与える場合は春や秋に少量施す程度で。液肥なら2~3か月に一度与えても。真夏と真冬は追肥は避ける。
日当たりと場所
日向から半日陰が適している。風通しの良い乾燥しやすい環境を意識して。
水やり
水やりは控えめにし、乾燥気味に管理するのが健全な成長を促す。表面が乾いてからすぐよりも、日にちを空けて与える。与えるときは、鉢底から水がしたたり落ちるくらいメリハリを。地植えの場合は水やりの必要はない。
病害虫
害虫はほとんどつかない。まれにアブラムシやハダニがつくが風通しの悪さで株が弱っていることが原因。
夏に意識したいポイント
蒸れには特に注意。開花時期と梅雨時期が重なるので、水やりは少なめで乾燥気味に管理。ただし、真夏は場所によっては乾燥が激しいので、鉢の大きさにもよるが、水やりの頻度は多めに。
この時期は収穫も終盤、蒸れ防止にもなるので切り戻して風通しを確保。 高温は苦手だが、多湿に気をつければ耐暑性もほどほどにあると言える。
直射日光では葉焼けを起こすこともあるので適宜半日陰などに移す。枯れることはないので神経質にならなくて大丈夫。(フレンチ系は耐暑性あり)
冬に意識したいポイント
耐寒性はあるので冬越は容易。(フレンチ系は耐寒性は弱い)切り戻しをして春を待つ。水やりもごく控えめで管理。2月の終わり~3月頃は強めの切り戻しをして成長を促す準備を。
収穫
茎、葉は一年中収穫が可能。花は開花する直前が最も香り高いが、花姿も楽しみたい場合は6~7分咲きで収穫。つぼみの状態か、または2~3輪咲いているタイミングを狙って。晴天が続いてた日の午前中が好ましいとされている。
茎を長く残していると年々間延びして株姿が悪くなるので株元から切り戻しを兼ねて収穫するといい。株元から2~3節くらいのところからが目安に刈り取るイメージで大胆に。
保存する場合はカビが発生しやすい時期なので、水につけずに束ねてつるし、風通しの良いところで乾燥保存させる。 収穫が終わったら、肥料を少々与える(お礼肥)。
※ラベンダーは多年草だが、株が古くなってくると枯れやすくなる。挿し木や株分けで株の更新をすることを意識しておくと安心。予備の苗づくりをしておくといい。
※繁殖力は強く、挿し木、株分けで増やせる。株分けは4月~6月頃の春、挿し木は真冬と真夏は避け春と秋に。3月頃が最も適していると言える。木質化した部分ではなく、上部の若い枝を使う。
※花が終わった後や収穫後は、切り戻しをして株姿を整えておくと良い。秋以降にも切り戻しを。(花穂の下、長く伸びた茎の株元に近いところで切り戻す。)春先は強めの剪定をして株の成長刺激を与えます。たくさんの開花を促すためにも特に意識しておきたい作業の一つ。
ラベンダーのよもやまエピソード
古代ローマ時代。大衆浴場が広まった頃、お湯にはラベンダーを入れて芳香浴を楽しんでいた長い歴史があります。抗炎症作用を期待した芳香浴は身体の疲れや傷みの緩和に活躍しました。時代が変わっても変わらない普遍性を感じ取れます。名前の由来も洗うという意味を持つラテン語の「ラヴァレ(Lavare)」から。
心身共に清める力を古代ギリシャから感じ取り、用いられてきたことを象徴しています。怒り、執着、不安、ネガティブな要素を浄化するメディカルなツールとして取り入れらていました。チンキ剤を作って神経痛に用いたりと緑の薬としても大活躍です。