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ローズマリーの紹介と育て方。効能や使い方の参考も。

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ローズマリーの概要

学名Rosmarinus officinalis L
科名シソ科 マンネンロウ属
和名万年郎(マンネンロウ)
別名迷送香(メイテツコウ)
花言葉「思い出」「記憶」
開花期10月~4月(品種によっては四季咲きのものもあり)
使用部位花・葉・茎
原産地地中海沿岸
草丈30cm~200cm
常緑低木

細く硬い葉が対生し、水色、ピンク、パープル、ホワイトなどの小さな花を秋から初夏に咲かせ、多様です。樟脳に似たスパイシーでいつまでも強く残る香りが特徴的で、食欲をそそる香りが魅力的なハーブとして親しまれています。

地中海料理では香辛料として欠かせない存在です。強壮ハーブでメディカルの側面からも注目され続けています。 ラベンダーと並んで古代より薬草として使われた歴史を持ち、逸話も多く残され、世界中で愛され続けているハーブと言えます。

記憶力を高めるハーブとしても有名で、花言葉の由来にもなっているようです。ポリフェノール類(ロズマリン酸)を豊富に含んでいるため、抗酸化力が高く若返りのハーブとしても知られています。身体機能を活発にする万能ハーブです。 お庭の生け垣などにも重宝するので、ナチュラルな調和を体現できるので取り入れたい植物の一つです。

ローズマリーの種類

直立性と匍匐性の性質を持つ(半匍匐性)品種もありますが、立生と匍匐性に大別され、立生は120cm~150cm程に成長します。中には、2メートルにもなるミスジェソップライトという品種もあり、イギリスでは多くの庭で栽培されています。

一年中花を咲かせる、「マジョルカピンク」や、細い葉が特徴的な「シシングハート」など多様な品種が存在します。 匍匐性のものは30cm~60cm程で、全体に広がるように成長していきます。

耐寒性は立性の方が強く匍匐性のものはやや弱いようです。   どの品種も幅広く用いることができます。園芸としても料理としてもメディカルとしても。

ローズマリーの主な薬効作用

抗酸化、血行促進、消化機能促進、強壮、興奮、収れん、駆風、抗菌

※妊娠中は摂取を控える

ローズマリーの適用症状

消化不良、食欲不振、循環不良、関節炎、リウマチ、気分の落ち込み、風邪、神経症

ローズマリーの使い方の参考

※生でも乾燥させても、香りはほとんど変わらないので使いやすい。香りが強いので使用量に注意します。柔らかい枝はそのまま料理に使えますが、硬くなった枝の場合は葉だけ使います。

料理に

肉料理の臭みけしとしても用いられ、風味を引き立てる香辛料として使用できます。煮込み料理にも重宝します。 花はエディブルフラワーとして楽しめ、そのまま、デザートに飾り付けてもアクセントになります。 スコーンやビスケットなどに刻んだ葉を入れると風味豊かなお菓子ができます。

葉はジャガイモやガーリックと一緒にオイル煮すればピリッとしたスパイシーなおやつも楽しめます。フォッカチャというピザ生地で作るパンの中にもローズマリーは使われます。シチューに加えたり、煮込み料理に加えると一段と風味がまし、おいしさを引き立ててくれます。

ビネガーやオイルにも付け込んで、ローズマリーの香りと効果を楽しみましょう。 乾燥させてミルサーで砕いて常備しておけば、ドレッシングや、フリッターの衣に入れたり、パン生地に練りこんだりと用途が広がります。。

ティーとして

ローズマリーティーは気分を爽快にしてくれるので、リフレッシュに最適。やる気を起こしたいときにもお勧めです。

抗酸化力も期待できるので美容飲料として味方にできます。フレッシュでもドライでも。風邪の引き初めにもおすすめ。枝を2~3本加えて熱湯を注ぐだけでフレッシュハーブティーの完成。花粉症の初期にも効果ありとして知られています。

美容目的として

収れん作用や抗酸化力を期待して手作りコスメの素材として用います。フェイシャルスチームとして芳香浴をすれば肌の引き締めに効果的です。アンチエイジングをサポートしてくれます。

リンスとして用いれば、頭皮のかゆみ改善や白髪防止も期待できます。手作りシャンプーにも取り入れたいハーブです。

ハーブバスに

香りを楽しみながら、血行促進効果を狙えます。リフレッシュしたいときの夏のバスタイムが特にお勧め。

クラフトに

枝を用いてリース作りを楽しめます。特に匍匐性のものが向きます。ドライにしても香りが落ちないので、ポプリやサシェとして多用できます。

その他

木質化した茎はバーベキューで串として活躍させるのも面白いです。 虫除けにもなるので、サシェを作ってタンスに忍ばせるのも効果的。

白ワインにローズマリーを5日間程付け込んだものは強い強壮作用が期待できるとされています。 アルコールに漬け込んで「ハンガリーウォーター」を手作りして効能を堪能したい。

※精油も手に入りやすいので、積極的にアロマテラピーを楽しみたいもの。幅広い効果と親しみやすさがあるので営みに加えておきたい存在ですね。

ローズマリーの育て方と収穫

https://linobase.org/herbswitharoma_category/herbofupbringing

苗からの栽培が容易なのでおすすめ。定植時期は真夏と真冬を除く。地植えの場合は50cm以上の株間を取り、土を盛り上げて(畝)植え込み排水性を確保。

鉢植えの場合はなるべく大きめの5号鉢以上のものがよい。匍匐性のものは、ハンキングバスケットや花壇からしだれるようにするとより魅力的な栽培を楽しめそう。

時間は相当かかるが種から育てると香りが良いと言われているので機会があれば挑戦したい。種蒔きは春と秋に。種からの場合は開花は2年目以降。

乾燥した排水性の高い土壌を好む。ハーブ用土を使う場合は、赤玉土やパーライトを多く配合するとよい。石灰質の土壌を好むので、地植えの場合は苦土石灰などを混ぜ込んで土壌改良を行っておくと良い。

肥料

地植えの場合は特に、肥料はほとんど必要ない。鉢植えの場合は春に少量与える程度で充分。

日当たりと場所

南向きの日向が最適。冬場は北風がしのげる場所が理想的。

水やり

表面が乾いたら、底から水がしたたり落ちる程度にたっぷりと、メリハリをつけて与える。乾燥気味を意識して。

病害虫

ハダニやカイガラムシがつくことがあるが、ほとんど病害虫には悩まされない。多湿気味になると株が弱るので気を付ける。

夏に意識したいポイント

枝が茂りすぎると蒸れて株元の葉から枯れていくので、真夏を迎える前に適度に収穫して風通しを良くしてあげる。梅雨時期は特に多湿に気を付けたいので、収穫は多めにして楽しむ。葉焼けを多少起こすが、直射日光もほどほどに大丈夫。

冬に意識したいポイント

耐寒性はほどほどにあるが、寒すぎる場合は枯れる場合もある。冷たい北風が吹くような場所は避け、軒先などにおいて管理する。地植えにする場合もあらかじめ南向きの日がよく当たる場所を考慮して植えこむ。水やりのスパンは長く、ほどほどに。

収穫

樹高20cm程になってから収穫する。葉は一年中収穫できる。冬場は株が弱るので控えめの収穫で我慢。乾燥保存する場合は開花直前までに枝ごと切り取って束ねて日陰でつるして乾燥保存させる。

※挿し木、株分けで増やせる。挿し木は5~6月頃に15cm程枝を切り、挿し木用土で行う。 若い枝でも木質化した枝でも挿し木に使える。 秋ごろに鉢上げして成長を見守る。株分けは2~3年ごとに行える。株が小さいうちは避ける。

※刈り込むような切り戻しはしない。使う分だけその都度収穫するようにした方が成長を妨げない。

※定植してから2年目は木質化して大株になるので、安定した成長と収穫を楽しめるようになる。

※収穫せずに放置していると株姿はどんどん乱れて老化していくので、適度に収穫や剪定をして株の若返りを狙って、好みの形になるように仕立てる。その場合、切った枝の横側から伸びていくので、株元から収穫することを心がけた方が間延びしない。

ローズマリーのよもやまエピソード

潮風に当たる海に面した崖に多く自生するのが見られ、属名の語源である海の露という意味である、ラテン語の「ロス(Ros)海」、「マリヌス(Marinus)海」からもうかがい知れる。

伝説や神話の中にいくつもの逸話が残っており、まるで魔法のような効力を秘めたローズマリーには、イエスの超自然的な力が宿ったためと言い伝えられています。魔よけの効力が信じられていたため、ヨーロッパの農夫たちは小枝をお守りとして忍ばせていたと言います。

病弱な人がローズマリーティーを飲むと驚くほど元気になると伝承され、強壮性が期待できるハーブです。 アルコールを使用した香水の始まりとして有名な「ハンガリーウォーター」に使われたハーブで、ハンガリーのイザベラ女王が一年間使用したことにより健康と若さを取り戻し、のちに77歳でポーランド王から求婚されたという逸話はその効果を象徴していると言えるでしょう。