世界各地に自生するハーブはたくましく、野性的です。そのためほとんどのハーブはそう多くの肥料を必要としません。与え過ぎれば香りが減ってしまったりすることもあります。 ただ、鉢植えで栽培する場合は全く肥料がいらないと言うわけにもいかないので、適度に少々与えるくらいの意識を持っていると良いです。
また、有機肥料は肥料成分をコントロールしにくいですが、多角的な栄養(ミネラル類も含む)補給ができるとともに、肥料焼けを起こしにくいので生長を促しやく気軽に与えやすいです。
元肥
植物を植える時に一番最初に施す肥料を元肥といいます。 流通しているハーブ用の培養土を使用する場合はすでに配合されているので必要ないですが、二年目を迎えた多年草などは毎年春、新芽が吹き出す頃に元肥として、まとまった量を与えると良いです。(有機堆肥や土壌改良材など)
植え替えるタイミングや自分で配合した用土を使う場合も元肥(固形タイプの有機肥料を与えるようにします。
追肥
元肥を与えた土に新しい苗を植え込んでから1ヶ月くらいからが追肥を開始するタイミングです。と言っても、ハーブ自体はそれほど肥料を必要とするタイプの植物ではないので、多くを与えすぎないように意識するのも大切です。
おすすめは液体タイプのもの。多く与えすぎてしまった場合も水で流すことができるのでコントロールしやすく肥料過多を防げます。液肥でも、1週間~2週間に一度くらいでも十分です。
緩行性(緩やかに利く)を期待したい場合は、米ぬかを基材にしたボカシ肥(手作りもできます)を利用すると良いでしょう。使う際は少量ずつが基本です。(特にハーブなので) 流通しているバランスよく作られた有機肥料は肥料焼けも起こさないので、容易に施肥ができます。
お礼肥
一通り収穫のピークを迎え、夏の終わりから秋に差し掛かってきたら剪定作業とセットで追肥をします。お礼肥とも呼ばれ、感謝の気持ちを込めた栄養補給です。お礼肥は緩行性の肥料がオススメです。ボカシ肥料や固形タイプの有機肥料など。
ポイント
成長が鈍いなーと感じ始めてから肥料を与えても遅くはありません。ハーブ類は、むしろそのくらいの方が適切な場合が少なくありません。
与え過ぎは肥料焼けを起こしたり、代謝不良により苗が弱ったり、害虫を引き寄せたりするので注意します。少量ずつ様子を見ながら施肥をすれば失敗はありません。
また、有機肥料はある程度発酵が進んだものを使うようにします。未熟な有機肥料を使ってしまうと、土の中で発酵に伴って根を傷めてしまいます。自家製堆肥を
使う場合も完熟期間を設けてから使用し、もちろん米ぬかをそのまま与えるようなことは避けて発酵ボカシ肥料を作るか、流通している発酵有機肥料を使います。
季節による肥料の与え方のポイントまとめ
春
春は植え込みや植え替えの時期であり、冬を越したハーブたちが新芽を吹き出す季節です。元肥として、しっかりと緩行性の有機肥料を与えます。
追肥をさらに与えて、生長を促します。
夏
特に日本の夏の高温多湿を多くのハーブは苦手で、生育も鈍ります。肥料を与えてしまうと代謝不良をおこして枯れたり、腐ったりしてしまう事があるので、与えません。一部、熱帯地方原産のハーブは夏でもぐんぐん育つので追肥として液肥を与えます。
秋
春と同じように追肥を行います。収穫後のお礼肥などを与えて、秋の生長を促します。
冬
肥料は与えません。休眠し始め、生長はほぼ止まります。
肥料の成分によって生長をコントロール
自分で肥料成分によって育成をコントロールしたい場合、 葉を利用するハーブ系は、油かす(チッ素)を多めに、 花や果実(種子)を利用するハーブは米ぬか(リン酸)を基材にしたボカシ肥、 根を利用するハーブは草木灰(カリ)などを気持ち多めに施すと良いです。
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