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ハーブの種類を把握して育てるポイントをつかんでおく_ハーブの基本のお世話

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ハーブ栽培において、それぞれのハーブが植物学的にどのような分類をされるのかを簡単に把握しておくと、栽培のヒントにつながります。ハーブと言っても、品種は多種多様です。

ここでは、それらの分類の特徴を記します。木のように育つハーブ類や、一度植えれば毎年楽しめるハーブ、1年~2年で枯れるハーブがあります。育てるハーブを選ぶ際の参考にして下さい。

草本類(そうほんるい)

草本類は、葉っぱや茎が柔らかい、いわゆる草花のこと。一年草、多年草(球根含む)に分けられます

1年草(1~2年草)

種から成長して、一年というサイクルで、実や花をつけやがて種をつけると枯れるもの。これらは、種からの栽培が容易と言えるので、どんどん種からの栽培を楽しみたいもの。

イタリアンパセリ、カモミール(ジャーマン)コリアンダー(パクチー)、ボリジ、ルッコラ、など。

スイスチャードやバジル、クレソンは本来は多年草ですが、日本の気候や育ち方から、一年草として分類されることがあります。

基本的にこれらの一年草の種は、春または秋に蒔いて栽培をはじめます。ハーブの好む環境によって、春蒔きか秋蒔きかを吟味します。

春蒔きしたい品種

主に耐寒性がなく冬越ができないものは春に蒔きます。また、暑さに強い耐暑性が高い品種も春蒔きに向きます。

バジル、ナスタチウム、シソ など。

秋まきしたい品種

耐暑性が弱い品種のうち、耐寒性があるものは冬越しができるので秋に蒔くのが適します。秋に蒔けば、春に生長のピークを迎えるように栽培する事ができます。

ジャーマンカモミール、コーンフラワー、コリアンダーなど。

春でも秋でも蒔ける品種

耐暑性も耐寒性もある程度同時に期待できるものは、春でも秋でも蒔けると言えます。ほとんどのハーブは春、秋、どちらでも蒔ける品種が多いですが、秋に蒔いて寒さに当てると、春に株の生長が促進され、大きく健康的に育つ傾向があります。

スイスチャード、イタリアンパセリ、ルッコラ、ボリジ、ディル、チャービルなど。

多年草(宿根草)

主に冬でも地上部も根も残る植物を多年草、地上部は枯れるが根だけが残り休眠する植物を宿根草と言います。冬に枯れてもそれぞれ春に新芽が芽吹いて成長するので、一度植え付ければ毎年楽しめます。種をつけても枯れることはありません。また、球根も多年草に含まれます。

エキナセア、オレガノ、カモミール(ローマン)、カレンソウ(ゼラニウム)、ステビア、セントジョンズワート、フェンネル、ミント、レモンバーム、レモングラス、ヤロウ、ワイルドストロベリー、ルバーブ、チャイブ。

これらの品種は、園芸においては種からではなく、苗から栽培することが推奨されます。もちろん種からの栽培を楽しむのも良いですが、一年草に比べると時間がかかる傾向があると言えます。

苗の定植の時期は春、秋です。耐寒性があるものは秋植えで寒さに当て、春に向けて株の生長を促すと良いです。球根にも適した植え付け時期があるので注意です。

耐寒性あり

耐寒性があるものは、冬でも屋外で冬越ができます。ほとんどの多年草のハーブは屋外での冬越が可能なものが多いと言えます。

半耐寒性のものは、屋外で冬越するのか、屋内で冬越をするのかは、環境によります。暖地や標準地域では、株元のマルチングや保温を工夫したりすることで屋外でも冬越可能と言えますが、寒冷地となると屋内での管理が賢明と言えます。

耐寒性なし

熱帯地域原産のものは特に耐寒性はほとんどないので注意が必要です。そのかわり耐暑性が高いので夏越しは楽です。また、これらの品種は秋植えはできません。レモングラス、ステビアなど。冬越は鉢上げして屋内で管理します。

木本類(もくほんるい)

比較的若い苗の段階では、草花のようですが、やがて大きく成長すると茎が木質化する品種です。高さが1m未満の低木から、樹木と呼べるほどに成長する高木のものがあります。また、さらに冬には葉を落とす落葉樹、冬でも葉を保つ常緑樹に分類されます。

これらの品種も、発芽率が低く生長が遅いため園芸では、種からではなく、苗や苗木の状態から栽培することが推奨されます。苗の定植の時期は春、秋です。木本類は12月くらいまではギリギリ植え付けることが可能です。

比較的、乾燥を好み肥料が少ない土を好む性質を持つものが多いです。 耐寒性も高く、冬越しも容易で管理しやすいものが多いと言えます。

低木に分類(亜低木を含む)

カレープラント、タイム、セイジ、ラベンダー、ローズマリーなど。

■セイジやタイム、カレープラントなど、草丈が1m以下のものは草本類の多年草に分類されることも園芸ではありますが、亜低木(基部は木質化するが、基部以外の茎は軟らかい)に分類され、木本類(もくほんるい)に含まれます。

高木に分類

エルダー、ローレル、ビワ、など。※エルダーは低木に含まれる品種もあります。

■熱帯地域原産のニームなどは、日本での屋外での冬越はできません。

科名で特徴を把握する

ハーブは、共通する科に属するものが多く、どの「科」に属するのかで、特徴を大方把握することが可能です。代表的なものを記します。

シソ科

シソ科に属するハーブはメジャーなものが多いです。交配しやすく、いろいろな品種が生まれた歴史がそれを物語っています。挿し木や、挿し芽でどんどん増やせるものが多いです。生育旺盛なのでハーブ栽培初心者におすすめです。

シソ、ミント、レモンバーム、ラベンダー、ローズマリー、タイム、セイジ、バジルなど。

キク科

病害虫に強い品種が多く、育てやすいものが多いです。防虫成分や抗菌成分が豊富でコンパニオンプランツにも用いられる品種が多数あります。薬効成分に富み、「緑の薬」らしい存在感をもつものが多いです。また、耐暑性が高い品種が多いので、春からの栽培に向いています。

カモミール、ヨモギ、エキナセア、タラゴン、ヤロウ、カレープラントなど。

アブラナ科

種から育てやすい生育旺盛なハーブが多いと言えます。風味豊かで栄養豊富な葉が野菜のように食べられる品種が揃っているのも特徴的。辛味成分など、パンチのきいた味わいを持つものも多いです。多くは寒さに強いので秋からの栽培が容易です。

ルッコラ、クレソン など。

セリ科

特に交配しやすい品種が揃っています。 栽培するときは、それぞれの品種を離して栽培することが推奨されます。種子もスパイスとして用いられるものが多く、葉も種子も楽しめる欲張りな栽培が楽しめます。多くは暑さに弱いので、秋に苗を定植し、春に最盛期を楽しむことが推奨されます。種播きも秋のほうが適しますが年中楽しめるものが多いです。

コリアンダー、ディル、フェンネル、クミン、イタリアンパセリ、チャービルなど。