化学農薬の代替として期待されているものがあります。自然由来の力を利用するので有機農業においても選ばれているものです。
ニームはその一つとして家庭菜園や有機菜園に使いやすい病害虫対策として心強い味方になると言えます。ここではニームの概要や使い方の参考を記載しています。
ニームとは?
ニームとは、インド原産の「インドセンダン」という常緑樹のことで近年の研究により多くの虫に対する忌避効果が期待できると発表された存在です。世界では「奇跡の木」と呼ばれるほどに自然農薬として期待され、広く使われています。
ニームの種子から抽出された物質に「アザジラクチン」という成分が含まれ、特に虫の忌避効果が高いことが明らかにされています。具体的な作用としては食害する虫に対して摂食障害や成長攪乱物質として働くとされ、、虫の活動が終焉することを意味します。
「ニームの木」自体に強い香りはないですが、抽出された成分は匂いがとてもきついので、アロマ等とブレンドされて使いやすくなっているプロダクトもたくさん登場しています。劇的な効果を期待できるわけではありませんが、補助的な役割として知っておきたい自然農薬の一つです。
ニームの木
熱帯地方原産の植物なので日本では露地栽培での冬越は期待できませんが、ニームの苗も広く流通しています。日本の夏でもすくすく育つので蚊などの虫よけ効果を狙って、観葉植物のように室内で育てながら緩やかな忌避効果を得るのが良いでしょう。そもそも抽出された成分に効果がより期待できるとされていて、ニームの木そのものに目に見える効果が期待できるわけではないようです。ただ、葉を食べた虫は2度と寄り付かなくなるでしょう。
ニームオイル
ニームの種子から抽出されたオイルで、500倍~1000倍に希釈して使うタイプです。レモングラスなど香りが良い精油などが加えられてより使いやすく改良されたものが出回るようになっています。
コストパフォーマンスに優れていると言えます。
※希釈倍率が小さいと植物に負担がかかってしまうので、必ず500倍以上に薄めて使います。新芽が枯れたり、葉が縮れたりということもあるので気軽に日常的に使いたいのであれば1000倍に薄めて使うくらいが負担がありません。
ニームスプレー
ニームオイルをあらかじめ希釈して、そのまま使えるように開発されたタイプのプロダクトです。ミネラル類なども添加されて、成長を手助けしたり、防虫効果を高めたり、より多角的な効果を狙えるように改良された自然農薬と言えます。
その他のニーム由来の素材
ニームは土壌改良材や有機肥料としても広がりを見せています。オイルを抽出した後の油粕も有効に利用され、高い効果が期待できるとされています。無駄なく自然の循環を妨げずに活用することができます。
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