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病害虫の予防にも効果的な木酢液の概要と使い方

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昔からの知恵として残されてきた木酢液。植物の栽培においても効果的な使い方があると伝承されてきました。特に、有機栽培に対しての貢献が期待されます。ここでは、木酢液についての概要や、使い方の参考を記載しています。

木酢液とは?

木酢液とは、木を高熱で蒸し焼きにして木炭を作る際に、水蒸気から蒸留されてできる液体で、昔から農業において使われていたものです。ネコブセンチュウの忌避効果が確認された後から、広く普及していきました。現在では無農薬栽培や家庭菜園などで強い味方になる自然農薬の一つとなっています。竹から作られる竹酢液や、燻炭づくりから得られるモミ酢液などもあります。

※木酢液の入手の際はきちんと品質管理されたものを選ぶようにします。木酢液認証協議会が一定の基準を設けているのでそれらの基準を守った木酢液かどうか記載を確認するなど意識しておく必要があります。ただ、現在は比較的高品質なものが多く流通しているようです。

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木酢液に期待できる効果の例

  • 病害虫に対する予防効果
  • 微量元素などのミネラル類の吸収率を上げてくれる
  • 作物の生育がよくなる
  • 腐りにくい作物の栽培を助けてくれる
  • 堆肥作りやボカシ肥づくりにおいて発酵、分解促進効果を得られる
  • 素材抽出の基材として用いれば相乗効果が得られる植物エキス入り木酢液を作ることができる
  • 土を健康的に保つ作用があり、団粒構造の促進など土壌環境を整えてくれる

など。至れり尽くせりな効果。

木酢液の使い方

使い方の注意点としては使う直前に希釈して、使い切るということです。作り置きは成分の変化や雑菌の増殖も考えられます。木酢液は原液の状態ならば微生物も寄り付かないですが、薄めれば優しいマイルドな有機物、すなわちエサと同じものと言えるので、作り置きはしません。

葉面散布:

500倍~1000倍に希釈して葉面散布すれば、病害虫の予防になります。発生してからではなく、1週間から2週間おきに定期的に使うことが基本で毎日の使用など短いスパンは避けるようにします。

※濃度は薄くが基本です。特に発芽したばかりなら1000倍が安心です。早朝か夕方など、気温が上昇する前に行います(特に夏は厳守)。

土壌散布:

15日に1度を目安に土壌に散布します。希釈濃度は1000倍か~2000倍です。水やりを兼ねて行うと良いです。病原菌を抑え、土壌有用微生物の活性化を促し、根から病害虫に強い栽培をサポートしてくれます。微量元素の補給にもなって多くのメリットを享受できます。

また、団粒構造など土を理想的な状態に導いてくれます。※有機質のない土壌には効果を発揮しないので注意。肥料過多の際には、窒素成分の中和や根腐れ防止にも役立ちます。

堆肥作り:

有機堆肥がしっかり含まれている土壌は木酢液の散布によって理想的な土壌環境である、団粒構造を促してくれますが、その元である有機堆肥作りそのものを作る際にも重宝します。生ごみたい肥やボカシ肥料などをオリジナルで作っている場合は、300倍~600倍に希釈した木酢液を散布すると有用微生物が増殖して分解や発酵が速まります。

※希釈倍率が100倍程度など濃すぎると有用微生物も殺菌や静菌作用により働かなくなり、分解&発酵が遅くなるので気をつけます。

土壌消毒:

古土の再生の際の土壌消毒もできます。病原菌の多くは弱酸性で活動します。強アルカリや強酸性の状態にすると多くの病原菌の活動を停止さることができます。また散布後は一時的に土壌に一酸化炭素が充満し酸欠状態になります。これで多くの病原菌を死滅させるのです。

希釈目安は20倍で、再生したい土に散布して、一時的に強い酸性の状態にします。

そのあとは、ゆるやかに濃度が薄まっていきますが、有益な微生物が優先的に増殖し始めてくれます。有益な乳酸菌や発酵菌などの有用微生物は強アルカリ性でも、強酸性でも活動できる点を利用しています。

木酢液と植物エキスの合わせ技も知っておくとさらに心強い

病害虫対策として、トウガラシなどの抽出液を作る際にアルコールや酢を使いますが、木酢液を抽出の基剤として選択することもできます。

それぞれのメリットが相互的に働き相乗効果を期待できる植物エキス入り木酢液が作れます。

抽出する素材(トウガラシやハーブなど)によって変わりますが、300倍~500倍が希釈目安です。希釈した液は保存できませんが、作った植物木酢液は保存がききます。

※木酢液で抽出した植物エキス入り木酢液は効果が高いのでいざというときの使用に留めるのが賢明です。木酢液での抽出については下記の関連エントリーに。

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