花が咲いてから、2~3週間経つ頃から収穫のタイミングがやってきます。日数は目安なので、青唐辛子としてなら赤く染まる前に、赤唐辛子としてなら赤く染まったら、タイミングを見計らって収穫していきます。
青唐辛子~赤唐辛子まで、一通り楽しめるように段階的に収穫すると、株の疲れや弱りを減らして収穫量も期待できるようになるので、意識しておくと良いです。
段階に分けて収穫のポイントを記します。
青いままで収穫(青唐辛子)
開花してから、一ヶ月くらいの(20日~30日前後)青い状態の未熟果です。実が5センチほどの長さに成長したら収穫のタイミングです。
青唐辛子だけを目的とした収穫なら一気に収穫するか、赤唐辛子も楽しみたいなら、そのまま熟す実を残して、間引くように果実のヘタの上からハサミで切ってひとつひとつ収穫します。
輪切りにして味噌に加え、唐辛子味噌を作ったり、トマトソースのピリ辛アクセントにも。チャツネにして保存するのもいいですね。
赤く熟したら収穫(赤唐辛子)
開花して二ヶ月くらい(50日~60日前後)経って、実が赤く色づいて熟してきたら収穫のタイミングです。
初夏の頃から部分的に赤く染まり始める果実に出会います。その頃に一つ一つ順次収穫して利用するのも良いです。フレッシュなトウガラシは辛味も少ないので使いやすいです。
夏も深まる8月に入ると、全体の果実が肩を揃えて、赤く熟してきます。そしたらまとめて一気に株ごと引き抜いて収穫します。
葉を収穫(葉唐辛子)
葉を利用する場合は小さな青唐辛子が実り始めるタイミングから、赤く熟すタイミングまで全体を通して収穫できます。
特に、小さな鞘(青唐辛子)が実り始めたあたりが美味しいので、葉をメインで収穫したい場合はこのタイミングを逃さないようにしたいところ。
株ごと引き抜いて収穫します。
また、少々味の深みや風味は分散してしまいますが、成長した青唐辛子が実り揃ったタイミングや、ある程度赤く熟してから一気に株ごと収穫して、実も葉も全部を楽しむという欲張りな収穫もいいと思います。
唐辛子の葉はすぐに萎びてしまうので、収穫したらすぐにたっぷりの水につけて調理したほうが美味しさを最大限楽しめます。
葉っぱは炒め物や佃煮などにして食べると美味しいです。簡単に作れるので保存食として一品加えるのもいいかも。※茎から葉を摘み取って使います。茎は堆肥などにします。
参考:
保存方法
一時保存
一時的な保存としては冷蔵保存や冷凍保存があります。フリーザーバッグなどを利用します。
冷蔵は一週間ほど、冷凍なら一年以上が保存期間の目安です。ただ、風味などは奪われてしまうので、ドライやオイルにして保存したほうが使い道が広がります。
乾燥させて保存
吊るして乾燥
株ごと引き抜いて収穫したものは、軒先などに紐で縛って吊るして乾燥させます。一番手軽で簡単。
編み込みで吊るして乾燥
ひとつひとつの唐辛子を紐で編み込んで、吊るすのも素敵です。古くから魔除け効果を期待して玄関先などに吊るされていました。こういう営み一つ一つが毎日を楽しくさせてくれます。情緒を感じさせてくれる鷹の爪の乾燥保存の仕方です。
唐辛子の編み込みの仕方
紐を2本用意します。素材はラフィア、藁、麻などの天然素材が相性が良いです。一本の長さは100cmから140cmほど。これは何本の唐辛子を編み込むかによって変動します。唐辛子の本数は10本~30本を目安に。どれだけ長くするかは収穫量(唐辛子の本数)によって決めます。
紐をそれぞれ半分に曲げます。
それらの紐を重ねて、上部5cmくらいのところで結び輪を作ります。
紐は4本ある状態になります。
中央の2本の紐の上に唐辛子を一つ置き、外側の2本の紐を唐辛子の上に這わせます。
次に中央の2本を持ち上げ、外側の紐2本を中央に寄せ、その上に唐辛子を置きます。
持ち上げた2本の紐を外側に広げて最初と同じように唐辛子の上を這わせます。
これを繰り返していきます。少しきつめにしっかりと編み込んでいきます。
用意した唐辛子を全部編み込んだら、余った4本の紐をまとめて結び目を作るか、四つ編みにして完成です。
ザルに広げて乾燥
ザルやドライネットなどに並べて日陰で乾燥させてもいいです。少量づつ順次収穫したものはこの方法が手軽です。
唐辛子は虫が寄り付かないので神経質にならずにドライにしやすいと言えます。
乾燥できたかどうか確認するには、表面がしわしわになってきたら、実を指先で、ねじり押すようにして中の種子を少しほぐすようにします。それから、実を上下に振ってみると確認できます。カラカラと果実の中の種子が音を出したら乾燥できていると判断して大丈夫。乾燥までに多くの日数はかかりません。数日~で、乾燥唐辛子として使えるようになります。
完全に乾燥できたら、乾燥剤を入れた保存瓶に入れてストックします。
乾燥させた唐辛子は、料理の香り付けで重宝します。また、オリーブオイルやお酢、塩や醤油などの調味料に漬け込んで楽しめます。ミルサーなどで粉砕すれば、自家製一味唐辛子の完成です。
参考